電力と力率 色々な電力

 有効電力、無効電力、皮相電力

電気の勉強を始めたばかりの方には馴染みのない言葉と思います。

しかし、ここから施工管理技士、エネルギー管理士、電験と電気の道を

進むことを決意するのであればここは避けて通れません。

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ここでは有効電力、無効電力、皮相電力、力率について知り、それを

イメージすることができたら成功です。

無題

ここでは直流電源を例にイメージしてみます。

上図のようにモータ(電動機)をイメージします。 ※あくまでイメージです!

簡単に説明するとモータの出力である有効電力(消費電力)とモータの

出力に関与しない、つまり仕事をせずに電源に還る無駄な電力、無効電力との

合計が皮相電力となります。

皮相電力

電源電圧を印加しモータには電流が流れ、この電気的入力を皮相電力といいます。

皮相電力は電圧×電流で求められます。

この皮相電力はSといい単位は[VA]になります。

これは電圧の単位[V]と電流の単位[A]で[V×A]で[VA]になります。

皮相電力は単純に印加される電圧と流れる電流の積で求まります。

有効電力

電気的な入力に対しモータの出力があります。

モータから取り出せる出力は有効電力といいます。

この有効電力はPといい単位は[W]になります。

有効電力は別名、消費電力ともいいます。

有効電力=消費電力はその電気回路で消費される電力のこと。

家電などを動かすために有効に作用する力のことである。

家電などの消費電力を見ると1000[W]などと書いてありますね。

これが有効電力であり、この家電が消費する電力というわけです。

無効電力

それに対し無効電力というモータの出力には関与しない電力が存在します。

これを無効電力といいその単位は[Var]といいます。

イメージしにくいでしょうが、簡単に言えば無効電力は有効な仕事はせず、

電源とコイル、コンデンサとの間で充電、放電をしているだけなんです。

電力と力率

例えば、有効電力Pは電圧×電流×力率で求めることができます。

単相交流回路でいえば 有効電力Pは P=VI cosθ[W] で求めることができます。

では無効電力はどうでしょうか? Q=VI sinθ[var]  で求められます。

皮相電力は S=VI[VA]  です。

三角関数の定義でイメージする

下の図は皮相電力、有効電力、無効電力をイメージするのに重要な図です。 無題

 有効電力と皮相電力の関係性

 

下図を確認します。

皮相電力は「斜辺」、有効電力は「底辺」、無効電力は「高さ」に 置くことができます。

ではまず、皮相電力と有効電力との関係性を見てみます。

 

 

「底辺/斜辺」をcosと表しコサインといいます。

また、「余弦」とも言われます。

無題

 

上の赤い文字を見て下さい。

「底辺/斜辺」はアルファベットのCを示しています。

皮相電力cosθ=有効電力となります。

また、有効電力/cosθ=皮相電力となります。

 

無効電力と皮相電力との関係性

 

無題

 

では、次に無効電力と皮相電力との関係性についてです。

「高さ/斜辺」をsinと表しサインといいます。

また、「正弦」ともいわれます。   今度も赤い文字を見て下さい。

 

「高さ/斜辺」はアルファベットのsを示しています。

皮相電力sinθ=無効電力となります。

また、無効電力/sinθ=皮相電力となります。

 

有効電力と無効電力の関係性

 

無題

 

 

では、次に有効電力と無効電力との関係性についてです。

「高さ/底辺」をtanと表しタンジェントといいます。

また、「正接」ともいわれます。

 

図の赤い文字を見て下さい。

「高さ/底辺」はアルファベットのtを示しています。

tanθ=高さ/底辺=無効電力/有効電力となります。

 

力率の補足説明

 

これまでの説明でありましたとおり電気的な入力である

皮相電力は有効電力、無効電力より必ず大きいです。

 

つまりcosθ、sinθは小数であるということです。

 

では電工の問題でこのcosθとsinθはどう扱われるのでしょうか?

電験ではこの位相角θは電卓で計算できますが電工で電卓は使用できないのです。

ですから、電工ではこの2つの位相角を知っていればこと足ります。

 

まず第一に

「θ=0.8」です。

無題

 

では下図を見てください。

斜辺を「1」と置きます。 「θ=0.8」としたとき

1 cosθ=底辺 

になることはわかると思います。

つまり 1×0.8=0.8  となり底辺が0.8になります。

無題3

 

では「θ=0.8」のときの高さはどうなるでしょう。

斜辺が「1」ですから

1 sinθ=高さですから 1 × 0.6 = 0.6 となります。

 

実際にやってみましょう。

無題

 

 

上図のように皮相電力を5000[kVA]  力率を0.8としたとき有効電力および

無効電力を求めてみます。

 

有効電力Pは  S cosθであるから P=5000×0.8=4000[kW]となる。

では無効電力Qは S sinθとなるので Q=5000×0.6=3000[kvar]となる。

この三角形とS, P, Qの関係性を知っていると電気計算上、ひじょうに便利です。

 

 

では次に例として下図のように   「θ=0.6」 とします。

無題1

 

では下図を見てください。

今度も斜辺を「1」と置きます。 「θ=0.6」としたとき

1 sinθ=高さ 1 cosθ=底辺

になることはわかると思います。

 

つまり 1×0.6=0.6  となり底辺が0.6になります。

同様に 1×0.8=0.8となりこれが高さになります

無題

 

ではどのように使われるかやってみましょう。

無題1

 

有効電力Pは  S cosθであるから P=5000×0.6=3000[kW]となる。

では無効電力Qは S sinθとなるので Q=5000×0.8=4000[kvar]となる。

 

力率とは、どれだけの電力が有効に使われたかを表す比率です。

難しく考える必要はないですが、交流回路では必須の知識であり

電気工事施工管理技士、電験を制するためには避けられない部分です。

 

ここでは電工で使わない部分まで書いていますが発展形として勉強して

おくといいでしょう。

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